366万円の債務について、再生手続きにより100万円の債務に減縮した事例
ご相談前 | ご相談後 | |
借金総額366万円→ | 100万円 | |
50代男性 | 毎月の返済額8万円→ | 2.77万円 |
ご依頼の背景
依頼者は、3年ほど前から、為替の信用取引等の投資を始めた。債務者は、5年ほど前から、施設管理のアルバイトの仕事についていたが、手取り収入が少なく、また、アルバイトという不安定な立場であったため、投資で利益を上げることを期待して、為替の信用取引や、仕組みの複雑な投資商品の取引に手を出したものの、結局、損失を被り、損失の補填や、損失の補填により、生活費が不足したために、生活費の不足を補うために、借金をすることになった。投資による損失を取り戻すために、さらに、信用取引を続けたが、損失は増大していき、これに伴って借金も増大していく状況であったため、返済が困難となった。借金を整理するため、弁護士に依頼したが、債権者に対し、一定の責任を果たしたいことや、借金の理由が投資の損失補填であったため、破産手続きをとることにより、すんなり免責許可を取得できるか不安な面もあったため、再生手続きにより借金の整理を希望された。
弁護士の見通し
借入総額 | 366万円 |
借金の理由 | 為替の信用取引、生活費等 |
借入先 | 消費者金融、信販 |
依頼者は単身者であり、住居は賃貸であるものの家賃は3万円弱であるため、手取り月額20万円弱の給与である今の仕事を続けることができれば、再生手続きによる減額後の100万円について、3年程度の期間で、分割返済を履行していくことは可能な状況であり、再生計画の履行可能性は認められた。債務の内訳としては、一部の特定の債権者が、総債務額の過半数の債権残高を有するといった事情もなかったため、再生計画案に対する反対意見が、債権者から提出される可能性も低かったため、小規模個人再生手続きを利用する形で、最終的に、再生計画の認可を裁判所から取得できる見込みはあると考えた。
サポートの流れ
債務者は単身者であったため、債務者自身のみの収入の裏付け資料として、直近3か月分の給与明細書と、直近2年分の源泉徴収票を提出した(賞与はなし)。
依頼者の資産としては、銀行預金の残高のみで、生命保険や医療保険の加入はなかった。保有していた銀行口座が、ネット銀行であったため、通帳はなく、取引明細をインターネットのマイページの中からダウンロードして、1年分を提出した。
源泉徴収票に地震保険料の控除があり、居住している賃貸アパートのために加入している地震保険があったが、保険会社から、保険証券の交付はなく、ネットのマイページで、契約内容を確認できる取り扱いであったため、その画面を印刷して、裁判所に提出した。
債務者の雇用形態がアルバイトで不安定なこともあり、返済期間については、4年との希望を、当初裁判所に提出したが、前記のとおり、債務者は単身者で、家賃も月額3万円以下であったため、弁護士に依頼後は、借金の返済についても、再生計画に基づく返済が開始するまでは、一時的に停止できるようになると、毎月の預金残高も増えていく状況となり、3年の分割返済の原資である月2万8000円程度の繰越額は十分でる状況となったため、最終的には、3年の分割返済の内容による再生計画案を提出することとなった。
法定の最低弁済額である100万円を3年36回で分割返済することを前提に、毎月2万8000円を弁護士の預かり口座に振込していただき、試験的な再生積立金の積立を行っていただいた。その振込の状況がわかる弁護士の預かり口座の記帳履歴のコピーを再生計画案の提出と一緒に提出した。
結果
以上のサポートの結果、法定の最低弁済額である100万円を3年36回で分割返済する内容で、裁判所により再生計画が認可された(なお、いずれの債権者からも、再生計画案に対する反対意見は提出されなかった)。