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夫婦で、住宅ローンを連帯債務を負う事案について、個人再生手続をした事例 – 債務整理専門サイト(宮重法律事務所,広島市の弁護士)
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夫婦で、住宅ローンを連帯債務を負う事案について、個人再生手続をした事例

ご相談前ご相談後
借金総額740万円148万円
40代女性毎月の返済額10万円以上4.1万円

ご依頼の背景

借金総額740万円
借金の理由生活費等
借入先銀行、信販

依頼者は、夫婦ともに、給与所得者で、それなりの収入があったが、5年ほど前に、マイホームを購入した際に、返済費用や、入居時にかかる家具家電の購入費用等の諸経費の甘く見積もって、住宅ローンを組んで購入したため、費用が足りなくなり、急場を、信販等のクレジットカードの利用や、借入で、補った。また、子供の教育関係費についても、予想以上の負担となり、家計になかなか余裕ができない状況で、カード利用に伴う手数料の負担も家計を圧迫し、債務の返済が困難となった。銀行に、信販会社に対する借金の借り換えに相談に行ったものの、借換えについては応じられないと回答され、やむなく、弁護士に住宅ローン特約利用による個人再生手続きの相談に赴いた。

弁護士の見通し

住宅ローンの返済については、現在の夫婦の年収を前提にすれば、少なくとも、定年時までは、返済の履行可能性については問題ないと見受けられた(もっとも、定年後も、かなり長期間同様の返済が継続する点については、不安が感じられたものの、定年までには、10年以上の期間があり、裁判所も、10年先の不可測な事情まで大きく問題にして、履行可能性を判断するものではないと考えられるため、少なくとも、住宅ローン特約利用の上での障害にはならないものと考えた)。子供にかかることが予想される今後の高等教育の費用の準備についても、家族内で、十分な話し合いをした上で、今後対応していくとのことであったので、再生計画の認可を取得できる見込みはあると考えた。

サポートの流れ

夫婦ともに、給与所得者であり、勤続5年以上であるため、退職金支給予定額の疎明が必要になる。職場に具体的な退職金支給予定額の証明書の作成を求めることは難しいため、会社の退職金規定と、毎年1回通知される退職金算出の基準となる金額と、在籍期間を確認できる健康保険証の資料を準備し、この資料に基づいて算出した退職金支給予定額を、上申書に記載して、上記資料とともに裁判所に提出した。

給与明細書のなかに、団体保険の控除があったため、該当の保険を勤務先等で確認していただき、保険の内容が確認できる保険証券等の資料と、保険解約返戻金の証明書の取り付けをしていただいた。一部保険については、契約時に配布される契約のしおりの内容や、保険証券の記載から、「解約返戻金がないこと」が明記されていたため、該当箇所のコピーを提出する等して、証明書の提出に代えた。なお、保険の解約返戻金については、債務者が、契約者貸付を利用していたため、当該貸付金を控除した残高を、財産目録の資産として記載した。

債務者は、初年度登録時から10年以上経過した5ナンバーの自動車を保有していたが、これについては、査定書等の当該車両の時価がわかる書類の提出は求められなかった。

住宅ローン特約を利用する場合には、住宅ローンの契約書のほかに、住宅ローンの保証会社がある場合には、「求償権の存在を証する書面の写し」としては、保証会社に対する保証委託契約書を、裁判所に提出する必要があるが、同契約書が、依頼者の手元に見当たらない状況であったため、弁護士の方から、住宅ローンの債権者に、同契約書の写しの送付を依頼して、弁護士宛に送っていただき、裁判所に提出した(このほか、住宅に関連しては、資産として余剰価値の有無を明らかにするために、被担保債権の残高証明書や、固定資産評価証明書、住宅の査定書を準備し、提出する必要があるが、当該住宅には、余剰価値はなかった)。

なお、減縮後の一般債権者に対する弁済の期間については、家計収支表上、返済余力に比較的余裕のあることが伺われる状況であったため、原則である3年の分割返済とした。

以上の作業等による資料の提出や説明の補充を完了し、再生手続の開始決定を得た。

結果

再生手続の開始決定後、3年の分割返済を前提とする再生計画案等の必要書類を提出し、各債権者からは特段の異議も提出されず、無事、再生計画の認可に至った。