個人再生手続により、1100万円の借金を220万円に減縮した事例
ご相談前 | ご相談後 | |
借金総額1100万円⇒ | 220万円 | |
30代男性 | 毎月の返済額20万円⇒ | 3.7万円 |
ご依頼の背景
借金の総額 | 1100万円 |
借金の理由 | 生活費等 |
借入先 | 銀行、信販、消費者金融 |
依頼者は、5年ほど前から、生活用品の購入のためにクレジットカードを利用するなどして、継続的に、借り入れを増やしていたが、弁護士に相談する2年ほど前から、一気に借り入れを増やしてしまい、返済がどうにもならなくなり、弁護士相談に至った。借金の事情については、生活費のほかに、一部浪費と思われるものもあった様子だが、金融機関側も、個人に対し、過剰な融資を行っていた側面も感じられた。債務者としても、冷静さを欠いた状況で、借金を増やし、その返済のために、さらに借り入れを増やすという無謀な行動に出てしまった。破産手続きの選択肢もありえた状況だったが、債権者に対しても一定の責任は果たしたいとの強い気持ちもあったため、個人再生手続きを選択した。
弁護士の見通し
借金総額が大きかったため、これを5分の1まで減縮するという再生計画案に対し、反対意見を提出してくる債権者がいないかどうか若干心配があった。しかし、破産と異なり、一定の弁済は実行される手続きであること、また、1名の債権者が、全体の債務額の過半数を有する状況ではなかったため、反対意見が出る可能性は低いと思われた。
サポートの流れ
再生計画認可後も返済額も220万円と相応に高額となるため、原則である3年の返済期間の設定ではなく、5年の設定とした。それでも毎月の返済額は3万7000円弱となるため、裁判所に提出する家計収支表上、4万円程度の返済余力があることが明確になるようにし、また、試験積立を、債務者に実行していただくこととした。また、車のローンを返済継続中の車両があったが、車両の所有名義人が、債務者に移転されていたため、債務者の資産と判断され、車両の評価額が、清算価値に計上された。債務者には、そのほかに、保険の解約返戻金等の一定の資産を保有していたが、自由財産に準じて99万円相当額の控除が認められたため、最終的な最低弁済額は、総債務額の5分の1相当額である220万円を上回ることはなかった。
また、債務者は、再生手続きの申立後、転勤により、他県に引っ越することになったが、引越し後も、メール等のやり取りにより、裁判所から依頼のあった補正に対応できた状況であった。ただし、引越し後は、単身赴任となり、それまで親族と同居していた状況と比較すると家計の支出が増える状況が予想された。そのため、単身赴任に伴う勤務先会社の手当の増額等の事情も明らかにして、再生計画の履行が可能であることを裁判所に説明した。
結果
以上の対応の結果、総債務額を5分に1減縮し、減縮後の債務を60回の分割返済にする形の再生計画が、裁判所により認可された。