借金総額300万円については、破産手続きにより免責許可を得た事例
ご相談前 | ご相談後 | |
借金総額300万円⇒ | 0万円 | |
60代男性 | 毎月の返済額7万円⇒ | 0万円 |
ご依頼の背景
借金総額 | 300万円以上 |
借金の理由 | 生活費 |
借入先 | 銀行、消費者金融、信販 |
債権者は、8年ほど前から、銀行から借入をして、急場の出費の資金の不足を補っていたが、その後1年ほどは、さらに借入を増やすこともなく、利息を支払うのみで経過した。7年ほど前に、実家の母親が亡くなり、実家には、蓄えが全くない状況であったため、葬儀費用を消費金融から借り入れ、その後の法要費用も借金で賄った。数ヶ月後には、実家の父親も亡くなり、さらに葬儀費用等のために借り入れを増やした。その後間もなく債務者は転職し、転職に伴う給与の大幅減額のため、支払いが困難となり6年前からは、債権者からの督促から逃げた状態となっていたが、その間も債権者から訴訟提起による時効中断の手続きを取られるなどしたため、借金を清算して生活を立て直すために、弁護士に破産手続きを依頼するに至った。
弁護士の見通し
借金自体、最後の借り入れは、5年以上前のものであり、実家の葬儀費用の負担や、生活費の不足を補うためのものであるため、免責は優に認められると考えた。債務者は、30年ほど前にも、仕事上のミスにより、負債を追うに至り、やむなく破産に至ったが、免責の許可を得てから、30年以上経過しているため、今回の免責の判断には何ら影響しないと見込まれた。
サポートの流れ
債務者の家庭の家計としては、妻と成人した長男長女2人とで生活していたが、妻と長男は体調不良のため、仕事ができず、毎月、2万5000円ほどの医療費がかかっていたが、長女は、8万円程度のアルバイト収入があり、また、住居も県営住宅で、家賃負担は月1万円ちょっとであったため、家計収支表上は、借金の支払いがなければ赤字にならずに生活しているいける状況であった。
収入を裏付ける資料としては、債務者と長女については、直近2か月分の給与明細書と前年分の源泉徴収票を準備し、妻と長男の収入の裏付け資料として、非課税証明書を裁判所に提出した。
債務者名義の預金通帳について、1年分以上の記帳内容を裁判所に提出したが、特段、裁判所から質問を受けるような入出金項目はなかった。ただし、合計記帳があったため、その部分について、明細を銀行から発行していただき、裁判所に提出した
債務者名義の自動車を保有していたが、初年度登録から、10年以上経過した車両であったため、時価額を裏付ける査定書見積書等の資料の提出は省略した。
現在の職場は、5年以上勤務しているため、職場作成の雇用条件通知書を提出し、そのなかの「賃金」の項目に退職金「無」と記載されているため、退職金がないことの疎明資料とした。
県営住宅の居住であることについては、入居当時に受領した資料が見当たらなかったため、あらためて在居証明書を県から発行してもらい、裁判所に提出した。
過去の破産事件の免責決定書写しを提出した。過去の事件の事件番号を特定した上で、裁判所で謄写申請した(現在は、広島地裁本庁の扱いとしては、一定年数以上経過した過去の破産・免責事件については免責決定書の写しの提出は省略可となっている)。
結果
以上のサポートの結果、免責許可を取得することに成功した。なお、免責審尋については、コロナ禍であったこともあり、不出頭で可という扱いであったため、出頭しなかった。